いい椅子を買ってみた

いい椅子がほしい

筆者は流行り病が流行し始めた2020年ごろから在宅勤務で仕事をしており、また週末開発のために土日も椅子に長いこと座っています。

今まで使っていた椅子はもうかれこれ6年くらい使っています。大手オフィス家具メーカーの椅子で、たまたま安く買うことができたものでした(なぜか定価の1/3くらいで購入できたのだから、かなりいい買い物でした)。概ね満足しているものの、以下のような不満もありました。

  • アームレストの位置の調整が行えるものの、じぶんの体格にあったベストな位置にできない
  • 後傾姿勢をとると体が座面からやや滑る感覚がある
    • 特に体に疲労が出ているであろう夜の時間帯に顕著に表れる
  • 若干座面がへたってき始めている(6年間毎日座っているので、むしろここまで耐えてすごい。ちなみにまだ普通に使える程度。)

最近は腰痛や背中のコリにも悩まされていたこともあり、もう一回り良い椅子を買おうという気持ちになったのでした。

椅子を知る

まずはインターネットである程度椅子の機能を知るところから始めました。調べてみるといろいろあります。 すでにオフィスなどでオフィスチェアに座っている場合は、以下の機能があれば試してみるとよさそうです。

どんな椅子にも大体ついているもの

だいたいどの椅子にもついているおなじみの機能です。

  • ロッキング機構(背もたれに体重をかけると背と座が後ろに傾く機能)及びロッキング強弱調整機構
  • ガス圧昇降シリンダ
    • 昇降シリンダには寿命があり、昇降を繰り返しているとガス圧がだんだん減るらしい。長期保証をうたうメーカーの場合でも、昇降シリンダだけは別途短めの保証期間が定められていたりする
    • 最小高さ・最大高さをチェックするとよさそう(思っていたより最小高さが高く、足が床につかずに疲れやすくなるといったこともある)

価格帯が高い椅子についている機能

価格帯の高い椅子によく搭載される機能です。機能が多ければ多いほど価格も上がりますが、かならずしもそうでない製品(いわゆるコストパフォーマンスに優れた製品)もあるようです。

  • アームレスト
    • 腕の重みを支えてもらうことで肩こりの軽減が期待される
    • さらに以下の機能のありなしに細分化される
      • 高さ調整機能
      • 奥行方向調整機能
      • 内側・外側へのスライド調整機能
      • 傾き機能
    • 上記機能をすべて有するアームレスト(自由度が4)は「4Dアーム」とか呼ばれている
  • ロッキング角度固定機能
    • ロッキングしているときの背座の角度を固定できる機能。これがないと背もたれに体重をかけない場合に背座がデフォルトの位置に戻ろうとする
    • ロッキング機構の最大角度を設定できる機能を提供する椅子もある
    • この機能がない椅子もけっこうある
  • 座面の奥行方向の調整機能
    • 座った時のふくらはき~座面間の距離を調整できる。これがあると着座時に座面がふくらはぎに当たる不快感をなくしたり、座面が体格に合わないことによる太ももへの圧力を軽減できる
  • ランバーサポート
    • 背骨の自然な状態であるS字カーブを保つための腰まわりを前方に押し出す機構
    • 椅子によっていろいろな構造がある
  • ヘッドレスト
    • 背もたれを大きく傾けた時に頭部の重さを支える枕みたいなやつ
    • オプションとして選択できるようになっている製品もある
    • 高さ方向などの位置を調整できるものもあるし、できないものもある
  • フットレスト機能(足を置くことができる機能。Ergohuman PRO ottoman など)

ユニークな機能

限られた椅子についている機能です。

前傾姿勢と後傾姿勢

まえのめりに作業をする場合(たとえば机に向かって書き物をする、ラップトップPCに向かって仕事をするなど)は前傾姿勢をサポートする椅子が候補に挙がります。一方で背もたれに寄りかかって作業する場合(たとえば外付けキーボードを使ってコーディングをするなど)は後傾姿勢をサポートする椅子が候補に挙がります。

前傾姿勢をサポートする椅子はあまり多くない印象があります。 オカムラのSylphyHermanMillerのSayl ChairsAeron Chairは前傾姿勢モードがあるので、前のめりに作業をするときに背もたれや座面も一緒についてきます。オフィスで仕事をするときはこの前傾姿勢モードがある椅子に座ることがあるのですが、前のめりになった時の背座のフィット感はちょっと感動します。

一方で後傾姿勢をサポートする椅子は多い印象です。私はWebアプリケーションエンジニアを生業にしており、愛用の外付けキーボードや外付けディスプレイを使っているのですが、このような場合は後傾姿勢をとることが多いように思います。

後傾での仕事を完璧にサポートする椅子とデスクのセット クルーズ&アトラス もありますが、筆者の住処には置くスペースがなさそうです。いつか手に入れてみたいですね。

座面や背もたれの材質

概ね「クッション」「メッシュ」のどちらかに大別されるようです。中にはそのどちらともいえないような特殊な構造を持つ椅子もあります。 座面の場所によって反発力を変えることで快適な座り心地を目指したものもあります。

材質は「通気性」や「体圧分散」に影響するようですが、体格などによって好みが分かれるところのような気がします。

保証

メーカーによって、部材ごとに保証期間を定めているものや、長期の保証をうたうものまでさまざまです。高価格帯の椅子ほど保証期間が長い傾向にあるように思います。一方で、中古で購入した場合は保証が適用できない旨定められている場合もあるので、中古の椅子を購入する場合はよく確認しましょう(中古オフィス家具屋が独自の保証体制を設けているケースもあります)。

予算を決める

インターネット通販でだいたいの予算感を把握しておきます。安価なもので2, 3万円~、高価格帯だと10万~とか、20万~とかするので、予算を決めるのは重要です。

椅子を見に行く

椅子にはいろいろな機能やパラメータがあることがわかりましたが、インターネットの画面をいつまで見ていてもどれがいいのか全然わかりません。しかもオフィスチェアはそこそこいいものを買おうとすると10万円~くらいが相場なので、気軽に失敗もできません。

ということで、特に高価格帯の椅子を購入の際には可能な限り店舗に足を運び、実際に座ってみることが重要です。(ただし、一部のコストパフォーマンスに優れた製品は店頭にない、あるいは取扱店舗が少ないということもあるので注意が必要です)

高価格帯(10万円~)くらいの椅子を試し座りしたい場合、都市圏であれば大塚家具が比較的オフィスチェアの品ぞろえがよいようです(場所にもよると思います)。そのほかにも、店員さんにアドバイスをもらいながら品物を選ぶ、いわゆるコンシェルジュサービスを提供しているお店もあるようです。 ほしい椅子にあたりが付いているなら、メーカー直営のショールームに足を運ぶのも手でしょう。

ちなみに筆者は大塚家具の新宿ショールームに行きました。他のフロアに比べてそこそこ他のお客さんも多く、過度な接客もなかったのでゆっくり見ることができました。本当ならここで購入するつもりだったのですが、気に入った椅子の色違いは在庫を持っていないようで、この日は購入に至りませんでした。 (ショールーミング 問題も気になるので、本当は店舗で買いたかったのですがざんねん)

ここで、私が考える、店舗に足を運ぶ前にいくつかやっておくといいことを列挙してみます。

  • 設置場所のサイズやデスクの広さを測っておく(品物にもよりますが、オフィスチェアは意外とでかいです。搬入経路が心配ならこれも確認しておくとよいです)
  • 普段の着座時の椅子と机の相対的な位置を把握しておく(机と体はこぶし何個分か、机の天板は着座時に体のどのへんにあるかなど。アームレストが邪魔にならないか、椅子の最小 / 最大高さが自分にあっているかなどを把握するのによい)
  • じぶんの作業中の姿勢を俯瞰で見てみる(前傾をとることが多いか、あるいは後傾をとることが多いか)
  • 店舗で試すときは普段の作業時の服装に近づけられるようにする(試したときは厚着、実際の作業をするときは薄着だと、腰あたりの感じ方に違いを感じることがあったりした)

店舗でちょっと座ったくらいだと、どれも同じように感じてしまいます(ある価格帯を超えるとどれも大体悪くないのです)。なるべく普段座っているときの状態を再現できるように、これらのことを確認したうえで店舗に行くと、限られた時間で自分にフィットする椅子を探せる確率が上がるような気がします(筆者の感想です)。

何を買ったの?

chair

HermanMillerのエンボディチェア を買いました。購入理由は以下の通りです。

  • バックカーブアジャスト機能(背もたれのカーブを調整できる機構)がいいかんじだった(筆者は腰痛持ちになりつつあるので、背もたれの耐圧分散にも効きそうなこの機能は魅力的だった)
  • 座面がなんかいいかんじだった(メッシュでもスポンジでもなく、コイルマットレスみたい?な独自の素材で構成されている)
  • アームレストを座面の内側に寄せることができる
  • ヘッドレストが付いていない(首を自由に動かしたいので、自分的にはヘッドレストは邪魔)
  • 保証が12年ついている(ただしガス圧シリンダは2年)ので、価格は高いが長く使えるので実質安い、じゃあ買ってしまおうという自分への言い訳ができたこと

はっきり言ってかなり高額なのですごく悩みましたが、たまたまセールをしていたこともあり思い切って購入に踏み切りました。いまはセールも終わり、しかも価格改定が行われたようで、より手が出にくい価格になってしまったようです。いいタイミングで購入できたかもしれません。

このあたりのオフィスチェアは中古でもそれなりの価格で取引されているようなので、どうしても気に入らなければ、最悪は売ってしまうというのも手かなと思いました。

つかってみてどう?

まだ届いたばかりなのでよくわかりませんが、背もたれのフィット感はほかの椅子にはなかなかない体験だなと思います。 また、肩のまわりが空いている構造になっているので、着座しながらの伸びの姿勢がとりやすいです(これは背中のコリがひどい筆者的には好印象です)。 一方で、座面は「店頭で座った時よりも固く感じていて思ったほど快適でもない」というのが正直な感想です。店頭の展示品はいいかんじに使い込まれて、なじんでいたのかもしれません。

しばらく使ってみないと真に良い買い物だったかどうかはわかりませんが、今後に期待したいところです。長期的に使った感想はまた記事にしようかなと思いました。

ではでは。

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